Diary 2006. 2
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2月8日 (水)  寒波

昨年12月も厳しい寒さでしたが、さすが2月は寒さが違います
最近はミゾレ混じりの雨と10メートルを超える突風で、まさにこれぞ冬って感じです
早朝根洗時に水槽の氷を割り仕事始めをしますと、気も引き締まり季節を感じ働ける喜びを噛みしめております

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2月15日 (水)  土づくり

日記も滅多に更新しませんが、結構見てくれているようで良く日記の話題になりこっちが驚きます
頑張って更新するようにしたいと思っています

さて今日は私共の組合の土づくりについて説明します
土づくりと言えば堆肥投入や緑肥などが一般的ですが
私共は物理的に改良をしています
私共の圃場は数年間荒れ地の跡地が多く、土質が気に入れば重機を使って雑木林の森林撤去などまで行い圃場づくりをする関係から新規の土で耕作を始める場合が多くあります
新規の土の場合、旧畑に見られるように肥料過多の心配はありませんが、一般的によく言われる肥えた土からは、かけ離れた物になります
この何もない状態で耕作しますと含水率、CEC、間隙性、排水性の面から不揃いの作物が出来、生産性が劣り収益率の低下に見舞われます。
数作を繰り返せば徐々に肥えて来るのですが、リスクが大きすぎで悠長なことは出来ません
堆肥の大量投入はそれなりに効果はあるのですが土が拒絶反応を起こし、馴染むまでに相当の期間を必要とします。
そこで速効性の土質改良を行います。
農林水産省認定の改良資材は法律で定められていまして以下の物があります
★泥   炭
北海道産みずごけ(水洗ー乾燥)
★バークたい肥
広葉樹の樹皮を主原料(85パーセント)として牛ふん及び尿素を加えてたい積腐熟させた物
★腐植酸質資材
亜炭を硝酸で分解し、炭酸カルシウムで中和した物
★木   炭
広葉樹の樹皮を炭化した物
★けいそう土焼成粒
けいそう土を造粒(粒径2ミリメートル)して焼成した物
★ゼオライト
大谷石(沸石を含む凝灰岩)
★バーミキュライト
中国産ひる石(粉砕ー高温加熱処理)
★パーライト
真珠岩(粉砕ー高温加熱処理)
★ベントナイト
山形県産ベントナイト(膨潤性粘土鉱物)
★VA菌根菌資材
VA菌根菌をゼオライトに保持させた物
★ポリエチレンイミン系資材
アクリル酸・メタクリル酸ジメチルアミノエチル共重合物のマグネシウム塩とポリエチレンイミンとの複合体
★ポリビニルアルコール系資材
ポリビニルアルコール(ポリ酢酸ビニルの一部をけん化した物)

この中で採用している物が
泥炭、バークたい肥、木炭、ゼオライト、バーミキュライト、パーライトでありますが、その中でもメインとなるのが
泥炭、ゼオライト、パーライトの3種類です
一般的にピートモスと呼ばれる泥炭は腐植の役割として使用し土の団粒化に非常に有効な作用をします
またゼオライトは保肥性の向上に有効で特に砂質土に対して肥え持ちを良くします
そしてパーライトは水持ちを良くし乾燥しがちな砂質土に最適であり、更に粘土質に対しては間隙性を高め排水性をも兼ね備えた理想の改良資材と感じております
このような物理的な改良を行った後、有機肥料を投入して微生物の活性を計っております
今日は少し難しいかもしれませんが当組合の土づくりの紹介でした

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2月18日 (土)  春到来?

寒波の激しかった今期の冬も終盤で春の兆しを肌で感じてきました
暖かくなると葱も急激に成長を早めありがたいようですが、それに伴い草も猛烈に大きくなってきます
今日は出荷休みのため春まきの準備を行いました
前回日記に書いた土壌改良資材はもちろんのこと+麦芽有機肥料+ピートモスは酸性ですので中和の為に蛎殻粉末を、そして
昨年秋に稲刈りをした後の籾殻を投入して耕起しました
耕起したあとの土は適度に荒物が混じり良い感じでした
数日後の播種が楽しみです


2月22日 (水)  農業の先行き

現在農業従事者の高齢化はますます進んで危機的な状況ですが、ニュースなどで取り上げられることは少なく、
あまり問題視されていないのが現状です。
周りを見ても、これから10年もすると農業従事者は激減するのは明らかです

先日も放置田畑が増えているとのニュースがありましたが、私どもは荒地を開墾して畑にしているので、
一度荒れた畑を戻す苦労は身にしみて感じています 
数年放置するとあっという間に草だらけ、激しいときは雑木林の荒地になってしまいます

今後の農業の姿を想像しますと
規模の大きな組織的なものだけが優遇され、個人の農業従事者は老齢に増して更に厳しいものとなっていくようです

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2月28日 (火)  堆肥信者

土づくりと言えば10人が10人、堆肥と言います
堆肥を入れると悪くなると言う考えの人は非常に希です
反当たり数トン投入すれば土がふかふかになると言います
もし、成らなくても数年入れ続けると良いとも言われます
本当でしょうか?

実際は堆肥によるが、土壌改良できる場合があると言うのが正解でしょう
牛糞堆肥も未熟堆肥、乾燥堆肥、完熟堆肥と色々ありますが
完熟堆肥なら良いとも言われます
本当でしょうか?

堆肥と一口で言っても流通している物には色々あります
ただ単に乾燥しただけのもの
乾燥させるために少しだけ籾殻などを使い水分を吸わせた物
完熟と言いながら実際は木くずなどを混ぜ一見乾燥して完熟に見える物
このようなものはただの乾燥糞でしかなく少量ならともかく大量投入となると
土がふかふかになるどころか逆に固くなってしまい、荒物との混入が不可欠となります

土づくりのために使う堆肥なら落葉や切り藁などを主体としたものに少し牛糞が混ざった物
この牛糞に含まれた窒素分が落ち葉などの分解時に消費され発酵したあと
残った繊維分を圃場に投入すれば土質改良できると考えています

実際問題なかなか理想の堆肥にはお目にかかれないのが現実です
特に土作りが活発な春期などは一般消費量が多いため、熟成期間が短く、良いものは手に入りにくい状況です
怪しげな堆肥を投入するよりは切り藁などの荒物をスキ込だほうが土づくりは早いようです
堆肥を入れれば良くなるとの迷信に惑わされ、畑を産業廃棄物の処理場にすることだけは避けるべきです
効果、必要のあるものだけを見極める力が必要なのかもしれません

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